過敏性腸症候群の食養生と鍼灸

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「お腹の調子が不安定で日常生活に支障がある」

「病院で過敏性腸症候群(IBS)と診断されたけれど、なかなか改善しない」

 

 

このようなお悩みを抱える方は少なくありません。

 

 

過敏性腸症候群は腸だけの病気ではなく、自律神経の乱れやストレス、食事内容との関連が深いとされます。

 

西洋医学的には整腸剤や生活指導が中心となりますが、東洋医学や鍼灸、食養生を取り入れることで改善が期待できるケースも多くあります。

 

ここでは、東洋医学的な考え方と食事の工夫について解説します。

 

 

東洋医学からみた過敏性腸症候群

東洋医学では、過敏性腸症候群は「脾胃(消化機能)」「肝(自律神経・情緒)」のバランス失調が主な原因と考えます。

 

 

  • ストレスによる肝気鬱結
    精神的緊張や不安が気の巡りを妨げ、腹痛や下痢を繰り返します。
  • 脾虚(胃腸虚弱)
    胃腸の働きが弱ることで軟便や倦怠感が生じます。
  • 寒熱錯雑
    体の冷えや熱のアンバランスが腸の働きを乱し、下痢と便秘を繰り返す原因になります。

鍼灸ではツボ刺激を通じて自律神経を整え、腹部の血流改善や内臓機能の安定を図ります。

 

薬だけで改善しない方が鍼灸による体質改善を選ぶケースが増えています。

 

 

 

過敏性腸症候群の食養生 ― 低FODMAP食を中心に

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日常生活でできる大切な養生法が「食事」です。

 

特に低FODMAP食はIBSの改善に有効とされ、食事指導と合わせて取り入れる方が増えています。

 

 

おすすめの食品

  • 米・玄米・オートミール:胃腸に優しい主食。
  • 卵・鶏肉・白身魚・豆腐:消化に良いタンパク質源。
  • 根菜・かぼちゃ・ほうれん草・トマト:低FODMAP野菜で腸に穏やか。
  • バナナ・キウイ・みかん:適度な食物繊維とビタミンを補給。
  • 豆乳・アーモンドミルク:乳糖不耐症の方にも安心。

 

調理の工夫

  • 煮る・蒸す・ゆでるを基本に。
  • 雑炊やおかゆ、スープで温かく摂ると腸が落ち着きやすい。
  • 揚げ物や脂っこい料理は控えめに。

 

避けたい食品

  • 香辛料や刺激物(唐辛子・胡椒)
  • カフェイン・アルコール・炭酸飲料
  • 高脂肪の揚げ物類

 

個人差が大きいため、食事日記をつけて「どの食材で症状が悪化するか」を把握することも大切です。

 

 

 

鍼灸と食養生を組み合わせて

過敏性腸症候群は「腸の病気」というよりも、心身全体のバランスの乱れとして捉えるのが東洋医学の考え方です。

 

鍼灸で自律神経を整えながら、日々の食養生で胃腸をいたわることが改善への近道となります。

 

過敏性腸症候群に悩んでいる方は、ぜひ鍼灸と食事改善をあわせて実践してみてください。

 

お腹の不調だけでなく、ストレスや不眠、肩こりなど全身の症状の改善にもつながっていきます。

YOUはり灸施術院